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- 糖尿病とがんの関係
糖尿病とがんリスクの関連性
日本や諸外国の研究によると、主にⅡ型糖尿病の人は、がんを発症する可能性が高くなると言われています。日本では大腸がん、肝臓がん、膵臓がんのリスクが高く、海外では子宮内膜がん、乳がん、膀胱がんとの関連が示唆されています。しかし、糖尿病、特に肥満を伴う場合は、前立腺がんのリスクが低下することが示唆されています。
糖尿病でがんリスクが高まる理由
血液中のインスリン濃度が高い
2型糖尿病の方の血中インスリン濃度は、インスリンの効き目が低下しているため、しばしば高くなります。血液中のインスリンが過剰になると、がんの発生に繋がる可能性があると考えられていますが、研究では、インスリン注射ががんのリスク上昇に繋がるという考えは否定されています。
血糖値が高い
私たちの体内では常に、体が持つ抗酸化の仕組みと酸化の仕組みが拮抗しています。しかし高血糖になると、酸化のストレスが大きくなり、体の様々な箇所に損傷を与えるようになります。この際の損傷が、発がんに関係する可能性があると考えられています。
全身の炎症
慢性的な炎症は、発がんリスクを高めると考えられています。Ⅱ型糖尿病がある方では、自覚症状がなくても全身に慢性的な炎症がみられることがあり、これが糖尿病の方の発がんリスクを高めている可能性があります。
糖尿病とがんの原因が共通している
糖尿病とがんは、リスクを高める原因が類似しています。具体的には加齢、肥満のほか、不適切な食事(赤肉・加工肉の食べ過ぎ、野菜・果物・食物繊維の摂取不足)、運動不足、喫煙、過剰な飲酒といった生活習慣です。
がんを予防するために
糖尿病がある方が、がんを予防する方法は、血糖値をコントロールするための治療と共通しています。すなわち、食事療法、運動療法、禁煙、節酒です。健康的な食事や、適度な運動習慣、体重管理も同様に効果的です。
また、糖尿病と同じくがんも早期発見・早期治療が重要です。そのため、胃、子宮頚部、乳房、肺、大腸のがん検診は定期的に受けておくことをおすすめします。横内内科 循環器・糖尿病内科でも大腸のがん検診は行っていますので、お気軽にご相談ください。
糖尿病の方ががん治療をする場合の注意点
万が一糖尿病の方ががんになってしまい、治療を始める場合は、治療の内容に応じた注意点があります。
例えば、糖尿病の方は高血糖が原因で傷の治りが遅かったり、細菌に感染しやすかったりするため、がん手術を行う場合は事前に血糖値を厳格にコントロールしなければなりません。血糖値が非常に高い場合は、治療内容を変えたり、治療を延期したりするケースもあります。
がんを防ぐことが何よりも大切ですが、糖尿病の方は日頃からご自身の体の状態を知り、血糖値の管理に努めましょう。