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高血圧症とは
高血圧症は、慢性的に血圧が高くなる疾患です。そのため一度血圧を計測した際に、正常よりも高い血圧が見られても、高血圧症とは呼びません。
高血圧症の約90%は本態性高血圧症と呼ばれる、原因が特定できない種類の高血圧症です。本態性高血圧症は遺伝的な要因や生活習慣などの環境的な要因が複雑に絡み合って発症するため、生活習慣病に分類されます。
本態性高血圧症に対し、以下のような疾患が原因で発症する高血圧症を二次性高血圧症と呼びます。この種類の高血圧症は、外科手術による症状の改善が可能な場合があります。
- 腎動脈狭窄
- 原発性アルドステロン症
- 褐色細胞腫 など
高血圧症の原因
本態性高血圧症の環境的要因として考えられているのは、以下のような要素です。
- 塩分の過剰摂取
私たち人間の体は、体内の塩分濃度を一定に保つ仕組みを持っています。そのため過剰な塩分を摂取すると、それを薄めようとして体の水分量を増やすので、血液の量も増えます。同時に余計な塩分を体の外に出そうと、尿を作る臓器である腎臓が活発に働いて排泄を行います。
この過程で血管に流れ込む血液量が増えるため血圧が高くなりますが、通常はすぐに正常な数値に戻ります。しかし塩分の過剰摂取が慢性化すると、上手く塩分を体外に排出できなくなります。その結果、高血圧症を発症するのです。
- 肥満
肥満の方はそうでない方よりも脂肪細胞がたくさんあります。この脂肪細胞からは様々な物質が分泌されており、それが一定以上になると自律神経やホルモンバランスが崩れてしまいます。
すると本来なら排出される塩分が体内に溜まったり、血管が必要以上に収縮したりするようになり、血圧が上昇するようになります。
- アルコールの過剰摂取
お酒に強い方、弱い方にかかわらず、一定量を超える習慣的な飲酒には血圧を高める作用があるということがわかっています。
- 精神的ストレス
長期にわたって精神的ストレスを感じ続けると、緊張や不安による血管の収縮が慢性化し、高血圧に繋がります。
- 自律神経異常
自律神経は血管の収縮や体内の塩分濃度の調整を行っています。そのためこの神経に異常があると、血圧が上昇することがあります。
- 運動不足
運動には余分な塩分の排泄を促進する働きがありますが、運動不足になるとその働きが作用しないため、高血圧に繋がる場合があります。
- 野菜・果物不足
野菜や果物にはカリウムを含むものがあります。カリウムには塩分の排出を促進する働きがあるので、野菜や果物が不足すると高血圧になる可能性があります。
- 喫煙
たばこに含まれる化学物質には血管の収縮を促す作用があるため、喫煙をすると血圧が上昇します。
糖尿病と高血圧症の関係
糖尿病の方は高血圧症を併発しやすい傾向があります。
高血圧症の原因と考えられているものの1つに、動脈硬化があります。健康な血管は弾力があるので、血液量の増加などに伴って伸縮します。そのため血圧はあまり上がりませんが、硬くなった血管は弾力がなく、伸縮しないので、血液量の増加が血圧の上昇に繋がります。
水を入れたゴム風船が柔らかいのに対し、水を入れたペットボトルが硬くなるのを思い出していただければ、イメージしやすいかもしれません。
糖尿病になると、高血糖状態によって血管の壁が傷つき、動脈硬化を引き起こします。そのため糖尿病の方は高血圧症を併発しやすくなるのです。
このような場合は当院へ
病院で測定する血圧(診察室血圧)が繰り返し測っても、最高血圧140mmHg以上、あるいは、最低血圧90mmHg以上ある場合に高血圧症と診断されます。
高血圧は自覚症状がほとんどないにもかかわらず、脳梗塞や心筋梗塞、腎不全など、命に関わる合併症の引き金にもなる疾患です。
健康診断で高血圧が指摘された方や、家庭で測定した血圧(家庭血圧)が繰り返し測っても最高血圧135mmHg以上、あるいは最低血圧85mmHg以上ある方は、なるべく早い段階で当院へご相談ください。