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院長インタビュー

院長インタビュー
臨床の現場で痛感した
糖尿病の予防と治療の重要性

今回、糖尿病専門サイトを開設したのはどうしてですか?

より多くの方に糖尿病について知っていただくとともに、当院のような地域のクリニックでも、きちんとした糖尿病の治療が受けられるということを知っていただきたいと考えたからです。

前職の石切生喜病院は、日本糖尿病学会教育関連施設の認定を受けており、患者様に糖尿病について詳しく知っていただくための糖尿病教室や、食事について相談するための栄養指導、その他にも糖尿病透析予防外来や糖尿病フットケア外来など、様々な角度で糖尿病の予防や治療に取り組んでいました。

その経験を活かして、近隣にお住まいの方々の健康維持・病気予防に貢献したいと思っています。

 前職での経験は今の診療にどのような影響を?

私は同院で循環器内科医長や糖尿病内科医長を務め、糖尿病治療の現状を目の当たりにしてきました。というのも、循環器内科に急性心筋梗塞で運ばれてきた患者様に「持病はありますか?」とおうかがいすると、「50年間、病気なんかしたことない」とお答えになるのです。

ところが血液検査をしてみたら、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が10%ある。10%というと、すぐに糖尿病の治療をしなければならない数値です。そのことをお伝えすると、「今まで言われたことがない」とおっしゃるのですが、話をお聞きすれば自営業の方で、健康診断を受けてこなかっただけだったのです。

心筋梗塞は、網膜症や腎症、神経障害と同じく、数ある糖尿病の合併症の1つです。知らぬ間に糖尿病が進行した結果、心臓が止まって命を落とすところだったということです。

臨床の現場にいると、このような患者様の例は枚挙にいとまがありません。心筋梗塞など、命に関わる疾患の治療を終え、「先生のおかげで命拾いしました!」と笑顔で退院されていく患者様の姿を見るたび、大きなやりがいを感じる一方で、もっと根本的な原因、つまり糖尿病の予防と治療の重要性を痛感してきました。

糖尿病内科を設置したのもそうした経緯があったから?

そうです。2022年に横内内科に加わり、糖尿病内科を設置しましたが、それはこうした経験があったからなのです。命を落とすような合併症や、人工透析の導入を余儀なくされて働けなくなるような事態は防ぎたいと思っていますし、何より「糖尿病になったから人生がつまらなくなった」と思わずに済むような治療をご提案していきたいと考えています。

糖尿病内科を設置したのもそうした経緯があったから?
「一生薬が必要になる」は勘違い
糖尿病が持つ二面性とは

糖尿病について、どんなことを知ってほしいと思いますか?

糖尿病が持つ二面性です。

糖尿病は確かに恐ろしい疾患です。重症化するまでほとんど自覚症状がないにもかかわらず、気づいた時には命を落としかねない深刻な合併症にかかっています。糖尿病性神経障害は足の切断に繋がりますし、糖尿病性腎症は透析治療に、糖尿病性網膜症は失明に繋がります。その他、命に関わったり大きな後遺症を残しうる狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを併発する恐れがあります。

一方で、適切に対応すれば過度に悲観しなくてもよい疾患とも言えます。とある総合病院に通院していた糖尿病患者様を長年集計した結果、糖尿病のない患者様よりも、平均寿命が長かったという研究論文があります。この研究の結果は「糖尿病患者様は長生きできる」ということ示しているわけでは決してありません。糖尿病のため通院している患者様がゆえに、定期的な検査や適切な治療を受けることができ、病気の早期発見、早期治療につながった結果と思われます。少なくとも「糖尿病患者さんもきちんと通院して治療を行えば、健康な人に劣らぬ余命を過ごせる」ということを示しているのではないでしょうか。

また「糖尿病になったら好物が食べられなくなる」と考えている人は多いかもしれません。もちろん甘いものや麺類など、血糖値を急上昇させるようなものは食べないに越したことはありません。

しかし、何十年も大好きで食べてきたものをいきなりやめるのは至難の業です。ですから、当院では無理にやめてもらうのではなく、「付け合わせの野菜をしっかり食べてくださいね」「毎日お昼に食べていたのを、週4日に減らしてみましょう」といったご提案をしています。きっぱり食べるのをやめるのではなく、好物と上手く付き合っていくのです。

必ずしも、極端な食事制限が必要になるわけではないということですね?

運動療法も同じです。毎日1時間歩けるような患者様もいらっしゃれば、忙しくてまとまった時間がとれない患者様もいらっしゃいます。そうした方には「エレベーターやエスカレーターを使うのをやめてみましょう」「帰宅する時は、一駅前のバス停で降りて歩きましょう」など、その方がちゃんと実践できる方法を一緒に考えるのです。患者様の中には「事務所が三階にあるんですけど、その程度の階段を上ったくらいでは運動になんてならないでしょう?」と聞かれる方もおられますが、決してそんなことはありません。とある研究論文では、階段昇降など短時間の運動を生活に取り入れた患者様達の血糖値は、まとまった時間の運動を行った患者様達と同じように血糖値が改善したと報告しています。

糖尿病の治療で皆様が気になる点と言えば、インスリン注射をはじめとする薬物療法でしょう。しかし食事療法と運動療法にきちんと取り組めば、薬に頼りっきりにならずとも血糖値をコントロールすることは十分可能です。一度薬物療法が始まった場合も、生活習慣が改善されて、薬なしでも血糖値がコントロールできるようになれば、減薬や中止を行うこともできます。「一生薬を飲み続けなければいけない」と思っている人も多いかもしれませんが、そうとは限らないのです。

糖尿病において、主治医は患者様自身です。ご自身が食生活や運動習慣を見直せば、糖尿病を改善させることは可能です。実際、血糖値が非常に高かった方でも、生活習慣の改善だけで大幅に改善できた方はたくさんいらっしゃいます。

早期発見・早期治療がカギ
最大の予防は「定期的な検査」

糖尿病を予防するために、患者様ご自身でできることはありますか?

重要なのは、糖尿病を正しく知ることと、早期発見・早期治療です。そのためには、何よりもまず定期的な検査が大切です。重症化するまで自覚症状のない糖尿病を早期発見するには、自分では気づけない体の変化に気づく必要があるからです。

そのため当院では、すでに通院中の患者様も毎年特定健診を受けるよう勧めております。もちろん、持病のない方や初診の方でも当院で特定健診を受けることができます。また糖尿病の指標となるHbA1cの値を院内で測定できる体制を整えたり、注射が苦手な方のために指先の1滴の血だけでHbA1cが測定できる設備も導入したりしています。

また合併症の検索のため心電図や心臓のエコーのほか、腹部エコーや頸動脈エコーの検査体制も備えています。

テキストテキスト
オーダーメイドの治療を、二人三脚で
横内内科 循環器・糖尿病内科の糖尿病治療

最後に、サイトをご覧の方に対して、メッセージをお願いします

糖尿病は生活習慣と密接に関わっている疾患です。そのため、治療の内容は患者様一人一人の生活習慣に応じて、オーダーメイドで変えていく必要があります。

当院の糖尿病内科では、こうした糖尿病の性質を踏まえたうえで、患者様と二人三脚で治療を進めています。食事療法や運動療法はもちろん、薬物療法にしても、私たちから一方的に「こうしてください」と指示をするのではなく、どうすれば楽しい日常生活を失うことなく治療ができるかを一緒になって考え、患者様に納得いただける方法を模索していきます。

不安や心配はたくさんあるかと思いますが、それらも含めてお話いただければ、きっと解決方法は見つかります。是非、お気軽に当院までご相談ください。

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