糖尿病食事と予防

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糖尿病になりやすい方の食事の特徴

糖尿病になりやすい方の食事の特徴

糖尿病、特に血液中の糖(血糖)が正常よりも多くなるⅡ型糖尿病の主な原因は、食生活や運動習慣などの生活習慣です。そのため、食事の摂り方や内容によっては、糖尿病になるリスクが高まってしまいます。一般的に、糖尿病になりやすい方の食事の特徴は以下の通りです。

  • お菓子やジュースなど甘いものが好き
  • 脂っこいものが好き
  • 野菜をあまり食べない
  • ごはんやパン、麺類の量が人より多い
  • 主食だけで食事を済ませてしまう
  • お菓子やジュースなど、間食が習慣になっている など

どうして糖尿病になりやすいのか?

血糖が正常よりも多くなる状態のことを、高血糖状態と言います。

私たちの体は、高血糖状態になると血糖値を下げるために膵臓からインスリンというホルモンを大量に分泌します。通常はこのホルモンが分泌されると、細胞に糖が取り込まれてエネルギーになったり、貯蔵されて脂肪に変わったりして、血糖値が下がっていきます。

しかし高血糖状態が長い間持続し、インスリンの大量分泌が続くと、インスリンが持つ血糖値を下げる力(血糖降下能)が低下してきます。すると同じ量のインスリンでは正常な血糖値を維持できなくなり、膵臓より大量のインスリンを分泌するようになります。

この状態が続くと、今度は体の細胞がインスリンに反応しにくくなっていきます(「インスリン抵抗性が高まる」と言います)。この結果、慢性的な高血糖状態、つまり糖尿病になってしまうのです。

前述のような食事を続けていると、血液中には常に糖が流れることになるため、体は血糖値を維持するために大量のインスリンを分泌しなければなりません。そのため、糖尿病のリスクが高まるのです。

糖尿病を予防するための食事

糖尿病を予防するために、次のような食事を心がけましょう。

  • 品数を増やし、栄養バランスを意識する
  • 蛋白質やビタミンなどを積極的に摂取する
  • メニューに食物繊維を増やす
  • 間食はできるだけ控える
  • 主食の量を減らす など

コンビニの食品や外食は、炭水化物や脂質、塩分が多く、ビタミンやミネラル、食物繊維の多い野菜や、蛋白質の多い肉類が少なくなる傾向にあるので、本来であればできるだけ避けるべきです。

とはいえ、仕事や年齢の影響で、なかなかこうした食事をするのが難しいという方も多いかと思います。だからと言って、これまで通り甘いものをたくさん食べたり、主食中心の食生活を送ったりしていては、どうしても糖尿病にかかりやすくなってしまいます。

そのため、まずは以下のようにできることから始めていくことをおすすめします。

食事の時間が不規則で、コンビニ食しか食べられないのなら…

当院の糖尿病内科には「食事の時間が不規則で、コンビニ食しか食べられない」という患者様もたくさんいらっしゃいます。例えば運送業をやっている方や、外回りの営業職をされている方などです。

しかし近年は、コンビニの食品にも比較的糖尿病に適した商品が増えてきています。ホットスナックの焼き鳥などであれば蛋白質も摂れますし、サラダチキンなら塩分も控えめです。豆腐やサラダなど、植物性の食品も手に入ります。糖質量が明記されている商品もありますから、その中から糖質が少ないものを選ぶこともできます。

「おにぎり3つ」「大きなカップラーメン1つ」だけで済ませてしまうところを、「おにぎり2つ」「小さめのカップラーメン1つ」にして、その代わりにこうした商品を加えれば、かなり栄養バランスは改善できます。

ご高齢で、お肉があまり食べられないのなら…

年齢を重ねると消化機能の衰えもあり、肉類や脂っこい食べ物を避けるようになるため、蛋白質が不足しがちになります。

しかし、蛋白質は筋肉量を維持するために必要不可欠な栄養素です。筋肉は多くのエネルギーを必要とするため、筋肉量を維持することで血糖値を下げることができます。したがって、糖尿病予防のためには、積極的に蛋白質を摂る必要があります。

とはいえ食欲や歯の問題で、なかなか肉類を食べられないという方も少なくありません。そのような場合は、魚類や豆類から蛋白質を摂ることをおすすめします。

缶詰の煮付けなどは骨まで柔らかいため、カルシウムを同時に摂ることができますし、お豆腐なら柔らかくて食べやすいでしょう。また肉豆腐や豆腐ハンバーグのように、豆類と肉類を一緒に食べれば、蛋白質の摂取量を増せるだけでなく、比較的お肉も食べやすくなります。

忙しくて、自炊をする時間がないなら…

「食事の時間が不規則で、コンビニ食しか食べられない」というほどではないにしても、毎日仕事が忙しく、自炊をする時間までは確保できない方も多いのではないでしょうか?

ついファーストフードや外食で済ませてしまうことも増えてしまうかもしれません。もちろんそのような日があっても構いませんが、週に何日かは糖尿病に配慮した食事にしたいところです。

そのような方は、栄養バランスに配慮した冷凍の宅食弁当などもあります。インターネットで申し込むだけで、定期的に蛋白質量や糖質量、野菜量などに配慮した冷凍のお弁当が届くので、忙しい方でも手軽に健康的な食事を摂ることができます。

近年は美味しさに配慮された商品も増えてきているので、自分好みのサービスを探してみてください。

「できることだけ」でも十分効果はあります

糖尿病の有無や、進行具合によっても変わりますが、基本的には何か少しでも食生活を改善するだけでも、何もしないよりはるかに糖尿病予防の効果があります。また、糖尿病は食事だけでなく、運動でも予防できます。これも食事と同じで、できることをやるだけでも効果が期待できます。

そのため糖尿病と診断された方はもちろん、健康診断で糖尿病の傾向かあると指摘された方は、まず自分の日々の生活を振り返ってみて、「これくらいならできるかな」ということを探してみてください。きっと何か見つかるはずです。

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